帯のコメントを見てすぐに買うことに決定したものの、一点不安がありました。
なんかアニメ感のある絵がかいてあって一瞬「あれ?漫画?」なのかなと思ったから。
私この手のまんがはほとんど読んだことがないのです。
その不安はありながらも内容を読み進めること数時間。
おおおおお、おもしろいじゃないか、
ちょっと文章の流れにひっかかるところがあるけどおもしろいぞ。
良い意味で期待を裏切りました。
帯のイラストを見る限りキャラクター先行型、ライトノベルっぽい感じなのかなぁ
と思いながら読み進めてたのですが、思ったより内容シブイ。意外性の一つ目。
てっきり【時代物+ファンタジー】だとおもって読み進めるわけですが
途中から【時代物+ファンタジー
+ラブ】になってきて
最終的には、あ、これは恋愛モノだったのか・・・・というラストを迎えました。
それが意外性二つ目。
幕末⇒明治⇒昭和(大正は省略されている)という時代の流れが要素の一つなわけで
勝手に「それぞれの時代の歴史的事件で黒幕的な暗躍をするのかしら、歴史の影に彫り師アリみたいな」とかワクワクしてたんですが思ったより歴史感は薄かった・・・・・(そういう本あったら教えてください)。
歴史はメインではなく背景として使われてます。
原爆とかは大事なファクターにはなっているけれど、時代の移り変わりより、
それに伴う時間の経過や人の老いに重きを置いてます。
それが意外性の三つめです。
とかって偉そうに『意外性』とか言ってますが、
私が帯のコメント読んで、傍若無人に想像したイメージと違うってだけですから、
意外もくそもあったもんじゃない、あ、汚い言葉使っちゃったわ~。
要は、時代物+ファンタジー+ラブで想像されるお話より、
帯のイラストやWEBのイメージより、
しっかりした内容のストーリーだったと言いたかったわけです。フンー!(鼻息)
ストーリーおもしろいです。
主人公の閻魔がえらい色気のある男というのもあって女性の方がキャッキャできるかも。
最終的にはラブストーリーで切ない気持にもさせられます。
ただ、トリックスターとして活躍する夜叉の立ち位置やその行動の目的があいまいで
それを閻魔の熱い性格でフォローしてストーリーが成り立ってる感じがした。
それが透けちゃう感じが時々あったかな。
映像化したらより良さそうな印象です。
その他、ネタバレ度が高くなりますが思わずつっこみたくなった点
①長州生れの閻魔はベシャリが江戸っ子だねぇ
②閻魔、鈍くて斜に構えてるのに都合いいシーンで超激しやすい
③後半の閻魔と夜叉のチャンバラシーンは不要だと思う、少年ジャンプかと思った
④クロ、肉球に「鬼込め」してあるのだろうか?いずれにせよ猫はかわいい。
⑤時期が時期なので原爆とか空襲のシーンはリアルに感じた
何さまだって感想ですが。
幕末感(←造語)や志士っぽさはないですが、キュンとなるエンターテイメント作品です。
この作家の次作は気になるよ!
-- c l o s e