あんまり酔っ払うと自分の言動に責任がとれなくなりそうで嫌だし、まわりに迷惑かけるかもしれないし。
呑むのが好きな人と一緒の時は全然呑みますが、「自分の足で電車に乗って帰らねば」という自制心がはたらきます。
ホロ酔いくらいで、相手を気遣う程度の冷静さがありながらも、いつもより素直になれるくらいが理想だなぁ。
春は別れの季節でもありますが、近所の河川敷で大学生たちが楽しそうに酒をのみ、
まだ寒いというのに一人くらいは河に入ってしまう季節でもあります。
若さを過信するな、春っていうのは思ったより寒いぞ。
それはそうと、夏目漱石の『三四郎』を読みました。
また夏目漱石です。
とても、青春です。
ほろ苦くて青いです。
一息で、私見も交えて説明します。
田舎から大学に通うためはるばる上京してきた若者:小川三四郎が、
新世界東で都会的だったり知的だったり変わってたりする刺激的な人たちに出会い
「ああ!人生が開けてきたような気がする」という気持ちになりながら
またファム・ファタルなかんじの美禰子という女に惚れ
「ああ!女ってのは、どうしたらいいんだ」という驚きを胸に
懐かしい実家のおかあちゃんからの長い手紙を読み
「迷い羊・迷い羊・迷い羊・迷い羊」とノートに書き続ける話です。
自分の20代前半の時期のことを、三四郎をみることで客観的に振り返り
「あの感覚はそういうことだったんだな」とぼんやり腑に落ちるようなこともありました。
夏目漱石の小説は、印象的なシーンだと読んだ途端に明確な映像が浮かび、
それが私の中で「名文」の定義の一つになってたりするのですが
そういうシーンも多かった。でも「こころ」のが好き。
大学生くらいの、三四郎と同じ年齢層の人が読むのもいいかもしれないけど
そういう若者は、河川敷で太陽の下ビールを呑んで精一杯はしゃいでおくほうがいいと思う。
楽しい時は、犯罪を起こさない程度に、救急車を呼ばない程度に、客観性を無くすのもありだと思う。
ま、そのおかげで最寄の駅が酒臭かったりするわけですが。
残業で遅くに帰ってきて、向こうからすっかり出来上がった若者たちが歩いてくると
「くっそー」とか思ったりするわけですが。
そういう一時の初心さを思い出し、すがすがしい気持ちになるようなお話なので
ちょっと大人になった人が読むほうが感慨もひとしおかなーと思いました。
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